Numazu City Hospital
最新記事・トピックス
最終更新日:2016.5.19

新聞記事掲載のお知らせ(副院長「C型肝炎の話」)
 
 皆さん、C型肝炎をご存じですか?この病気は慢性の炎症を肝臓に起こす病気で、一九八九年に原因となるウイルスが発見されるまでは、非A非B型肝炎と言われていました。当時既に発見されていた肝炎ウイルスのA型でもB型でもない肝炎という意味です。
 C型肝炎は、口からウイルスが入っても感染せず、体液・血液を介して感染します。ウイルス発見以前の輸血や針治療や刺青などが感染原因です。
 ウイルスに感染すると、急性肝炎を引き起こしますが、黄疸が出ない場合には、ひどい風邪や疲れと間違われて済んでしまいます。
 C型急性肝炎は、30%の人ではウイルスが体から排除され自然治癒しますが、残る70%の人はウイルスが体に残り、慢性肝炎状態に進行します。慢性肝炎になると、もう自然治癒はありません。感染から三十年前後で肝硬変や肝臓癌に進行します。もちろん個人差があり、五十年たっても、まだ慢性肝炎止まりの人もいます。
 C型肝炎は自覚症状が殆どありません。ですから医療機関で血液検査や超音波検査などの検査をしなければ、感染しているか、どの程度進行しているか、などは分かりません。自己判断で、酒も旨いし、健康と思っている人が、検査をしてみると末期の肝臓癌だったということもあります。
 さて、これからが本題です。C型肝炎の治療法に革命が起きたのです。従来、C型肝炎を治すには大変な忍耐力を必要としました。インターフェロンという注射薬を半年から一年半の長期に亘って打つ必要がありました。副作用も多く、数年前までは治療率50%でした。
 しかし、二〇一四年九月に飲み薬のみの治療法が開発されました。この治療法は、副作用が少なく、今までインターフェロン治療を受けられなかった高齢の人、病気が進んで肝硬変になった人でも治療を受けることができ、六ヶ月間の服用で、治る確率が85%まで上昇しました。さらには肝臓癌にまで進行した人でも、その原因となったC型肝炎が治るようになったのです。
 二〇一五年六月からは2型(C型肝炎には1型と2型の二つの型があります)の人の治療薬が開発され、三ヶ月間の服用で95%を超える治療率となりました。二〇一五年九月からは1型の人に対する第2世代の薬が開発され、三ヶ月間の服用で100%近い治療率となりました。
 C型肝炎は簡単に治る時代になりましたので、C型肝炎であることは分かっているが治療を躊躇(ちゅうちょ)していた人は、ぜひ、この飲み薬の治療を受けてください。肝炎健診を受けたことがない人は、受けることをお薦めします。保健所や市立病院で、無料で行えます。検査は血液採取のみです。
 一九八九年のC型肝炎ウイルス発見から、まだ三十年もたっていませんが、人類は、このウイルスを克服できるようになったのです。素晴らしいことだと思いませんか?
 
沼津朝日「言いたいほうだい」2016年3月31日付
 

Home