診療科・部門

呼吸器外科

概要

呼吸器・胸部全般の外科治療を行っています。当院は救命救急センターを併設していることから多くの外傷性気胸の手術を行っています。気胸の治療には再発率低減を目指した手術を採用しています。当科における若年者気胸の術後再発率は2%程度であり、非常に低い再発率となっています。がんの治療については、近隣のがん治療専門病院と連携して行っています。入院治療については、クリティカルパス(入院治療計画書)を導入し、患者さんに十分治療内容を理解していただいたうえで治療を行っています。また、患者さんおよびご家族のご要望を十分伺ったうえで治療方針を決定します。

特色

当科では患者さんのQOL(生活の質)を重視した治療を行っており、患者さんの身体的負担を可能な限り減らすため、胸腔鏡下手術を利用した低侵襲手術法を導入しています。入院期間は疾患の種類・治療内容および手術後の回復の程度により異なりますが、当科における術後の平均入院期間は、合併症がない場合には、肺癌で10日、自然気胸で2日です。

主な対象疾患

肺悪性腫瘍(肺がん、転移性肺がん)、肺良性腫瘍、気胸(外傷性気胸、自然気胸、続発性気胸:高齢者気胸)、縦隔腫瘍、胸膜・胸壁腫瘍、重症筋無力症、肺分画症、膿胸、外傷、炎症性疾患など


肺がん

肺がんは肺にできる悪性腫瘍です。主な原因はタバコの喫煙です。受動喫煙も肺がんのリスクを高めます。喫煙以外では、環境や食生活などが影響すると考えられます。肺がんの症状は、進行するまで現れないことがあり、検査をするまで気づかれないことがあります。主な症状は、咳、痰、発熱、息苦しさ、だるさ、胸痛などが挙げられますが、これらは肺がんでない呼吸器の疾患でも現れます。


肺良性腫瘍

肺の悪性腫瘍に比べるとまれな疾患です。多くの場合、症状がなく健康診断などの検査で発見されます。腫瘍ができた部位によっては、せきや痰、息切れなどの症状が出ることもあります。進行速度は比較的遅く、他の臓器への転移はありません。画像の検査では肺がんと似ていることがあるため、肺がんと見分けることが重要です。


気胸

肺に穴が開き、肺から空気が漏れて肺が縮み、漏れた空気が胸の中に溜まっている状態です。主な症状は胸の痛みや呼吸困難です。まれに症状が出ないこともあります。外傷性気胸は交通事故などで肋骨が折れ肺に刺さることで発症します。明らかな原因のない気胸を自然気胸と呼び、若年のやせ型男性に多く発症します。続発性気胸は肺疾患が原因となって発症するもので、高齢に多い疾患です。

治療について

肺がん

治療方法は肺がんの種類や進行度、患者さんの状態などにより異なります。複数の治療を組み合わせて行うこともあります。肺がんは小細胞肺がんと非小細胞肺がんに分けられます。小細胞肺がんの治療の中心は薬物療法です。非小細胞肺がんの中心は手術です。また、再発予防のために術後に薬物療法を行ったり、手術が難しい場合には放射線治療を行ったりすることもあります。


肺良性腫瘍

腫瘍の増大傾向がなく、症状がない場合は経過観察をします。症状がある場合、治療の基本は手術です。悪性腫瘍との鑑別のために、手術により診断と治療を同時に行うこともあります。手術中に病理検査を行い、良性と診断された場合は手術を終了します。


気胸

重症度に応じた治療を行います。軽度の気胸で症状がない場合は入院せずに安静に過ごしていただき、定期的に外来で検査を行い穴がふさがるのを待ちます。中等度から重度の気胸は入院加療を行います。肺から胸に漏れた空気を体外に出すために、胸の中にドレーンという管を入れます。穴がふさがらない場合や、再発を繰り返す場合は手術を行います。続発性気胸の場合は、原則的に手術はせず、薬物治療などを行います。

体制

名前 大岩 加奈
役職 部長
専門分野・資格 日本外科学会専門医
呼吸器外科専門医

その他

当科外来を受診される方へ

外来受診は月曜日、水曜日、金曜日の午前中に受付をしています。
自然気胸、続発性気胸などの緊急性を有する疾患についてのご紹介は時間外を含め随時承っています。紹介医からの紹介状をご持参ください。

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