診療科・部門

糖尿病・内分泌代謝内科

概要

糖尿病などの代謝性疾患及び内分泌疾患全般の診断・治療を行っています。代謝性疾患とは、体内で生命維持のために様々な物質が分解・合成される際の調整機能を担う代謝に関わる病気です。代表的なものとして、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などが挙げられます。内分泌疾患とはホルモンの分泌異常によって起こる病気です。甲状腺疾患が最も多く甲状腺ホルモンの分泌異常をきたす疾患(バセドウ病、亜急性甲状腺炎、甲状腺機能低下症など)と腫瘍性疾患の2つにわけられ、主にホルモンの分泌異常の診断・治療を行います。

主な対象疾患

代謝性疾患(糖尿病、脂質異常症)、内分泌疾患(バセドウ病、亜急性甲状腺炎、甲状腺機能低下症、副甲状腺疾患、副腎疾患、下垂体疾患等)

糖尿病
糖尿病とはインスリンという血糖値を下げるホルモンの分泌量又はその作用が不足して、血糖値が慢性的、又は間欠的に高くなる病気です。糖尿病患者の約9割を占める2型糖尿病になる主な原因としては、肥満、運動不足、ストレスなどの生活習慣の乱れが挙げられます。その他、何らかの免疫異常によりインスリンを産生する膵臓の細胞が破壊されることで発症する1型糖尿病、妊娠をきっかけに発症する糖尿病、膵臓の病気やステロイドの使用で発症する糖尿病もあります。


脂質異常症
脂質異常症とは、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪の量が多すぎる、あるいは善玉コレステロール量が少なすぎる状態を指します。基本的に症状はありませんが、脂質異常が続くと、動脈硬化を引き起こしやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などの血管系の病気の発症リスクが高くなります。多くは生活習慣の乱れによって起こり、運動不足や偏った食事、肥満などが原因で生じるメタボリック症候群が代表例と言えます。


甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)は甲状腺を刺激する自己抗体が産生された結果、常に甲状腺ホルモンを分泌するような刺激が入り、過剰に分泌される病気です。甲状腺ホルモンが過剰に存在すると動悸、振戦、体重減少、疲れやすいなどの症状が出現します。また長期間持続すると眼球の突出により目が大きく見え、甲状腺が大きくなり首が腫れたように見えることもあります。


亜急性甲状腺炎
亜急性甲状腺炎は甲状腺に炎症が生じる疾患です。ウイルスの感染が原因と考えられていますが、不明な部分もあり原因は解明されていません。症状は、甲状腺の痛みや発熱、血液中の甲状腺ホルモンの上昇がありますが、1~2ヵ月ほどの経過で落ち着くので亜急性とされています。


甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの産生が低下してしまう病気です。原因としては甲状腺の慢性的、または一時的な炎症による甲状腺の破壊の他、甲状腺ホルモンの分泌を促進する下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌低下などが挙げられます。症状はまぶたや顔が腫れる、声がかすれる、声が低くなる、皮膚が乾燥するなどがあります。

治療について

糖尿病
糖尿病は初期の状態ではほとんど自覚症状がないことが多いですが、長期間放置すると合併症を併発する危険があります。血糖コントロールとともに合併症を起さない、進行させないことが治療の目標になります。2型糖尿病ではまずは原因となる食生活や運動習慣の乱れを正す生活指導を実施します。生活改善を行っても血糖値が十分に下がらない場合は、何らかの薬物療法に移行します。ここ10-20年の間に糖尿病の内服薬の種類が増え、治療の選択肢も増えてきています。内服薬だけでは血糖コントロールが不十分な2型糖尿病や、インスリンの分泌量が大幅に低下している1型糖尿病、胎児への影響により血糖値を下げる薬を使用できない妊娠糖尿病では、インスリン製剤による治療を行います。インスリンの投与は自己注射によって行われ、食事管理と並行して実施していきます。


脂質異常症
脂質異常症の治療は生活習慣が原因である場合、生活習慣(運動不足、飲酒等)の改善を基本とします。生活習慣の改善だけでは十分な改善がみられない場合は薬物療法を検討します。治療薬は2種類に分けられ、主にコレステロールの値を下げるスタチン系薬剤と主に中性脂肪の値を下げるフィブラート系薬剤があります。


甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
甲状腺機能亢進症の治療は薬物療法を行ないますが、内服薬では十分に甲状腺ホルモンの過剰分泌を抑えられない、副作用が出るため治療薬を続けられないなどの場合は、ラジオアイソトープ治療、手術療法が必要になり甲状腺専門病院や他科に紹介しています。女性に多い病気であるため、妊娠出産の希望の有無や年齢、症状を加味しながら治療方針を検討します。


亜急性甲状腺炎
亜急性甲状腺炎の治療は、状況が許せば治療で経過を見る場合があります。しかし、亜急性甲状腺炎の痛みは強いことが多く、痛みが強い場合にはステロイドや解熱鎮痛剤による疼痛管理を行うといった対症療法を行います。長期的には甲状腺機能低下症を発症することもあるので、その際には適宜甲状腺ホルモンの補充療法を検討します。


甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症では甲状腺ホルモンを内服して、不足しているホルモンを補充します。甲状腺機能低下症を治療しないままにしておくと、便秘がちになったり活動性が低下したりします。また、妊婦さんが甲状腺機能低下症の場合、生まれてくる赤ちゃんに精神発達遅滞が生じやすくなることの報告もあります。よって甲状腺機能低下症は積極的に治療を行うことが重要です。

体制

名前 北川 裕
役職 糖尿病・内分泌代謝内科 部長
専門分野・資格 日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内科学会認定内科医
名前 浅井 勇磨
役職 糖尿病・内分泌代謝内科  医師

その他

当科を受診される患者さんへ

当科が診療する糖尿病や脂質異常症などの疾患は、「生活習慣病」と呼ばれています。生活習慣病は 「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義されています。以前は成人病と呼ばれてましたすが、 それぞれの疾患が子供の頃からの生活習慣の蓄積によって起こることが分かり、生活習慣病という呼び名に変わりました。これらの疾患は進行しないと自覚症状が現れないものが多く、見過ごされがちです。放置すると、数年後には様々な臓器にその影響が現れ(合併症)、時には心筋梗塞や脳梗塞を引き起こし命を落としたり、後遺症を残したりすることもあります。 早期診断、早期治療がQOL(生活の質) の低下を防ぎ、経済的負担を少なくするといえます。管理栄養士による食事指導や糖尿病教室も行っておりますので、お気軽にご相談ください。